ASNARO-1
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撮像バンドによる見え方の相違


※本画像は、Web表示用に圧縮加工したものです。


地球観測衛星では、様々な衛星が様々なバンドで撮像しています。一番大きな違いは電波(SAR衛星)と光(光学衛星)ですが、光学衛星では、可視光だけでなく、赤外線などの可視光近傍も使って撮像を行います。本稿ではバンドによる地物の見え方の相違を紹介します。
最初の例は、マルチスペクトラルで沖縄久米島の浅瀬を撮像したものです。通常の可視光のバンドを用いたもの(左)に対して、コスタルブルーとよばれる波長の短いバンドを使用し擬似カラーで表現したものは浅瀬の様子がより鮮明に見える画像となっています。




※本画像は、Web表示用に圧縮加工したものです。


このようにたくさんのバンドを持ったマルチスペクトラルによる撮像は、地物の特性を知る上で見やすい画像を生成できます。一方、より高精度に細かい地物まで観測したい場合は、パンクロマチックによる撮像が使用されます。パンクロマチックは、単一バンドで、その波長域は450-860 nmとマルチスペクトラルのバンドのほとんどをカバーしますが、解像度は、パンクロマチックが0.5m、マルチスペクトラルが2mです(ASNAROでの例)。
同一箇所をパンクロマチック、マルチスペクトラルの両方のモードで撮像した例を上部に示しています。これら2つのモードの良い点を使って、パンクロマチックの高精度画像にマルチスペクトラルの色彩を付与したものが、一番下に示したパンシャープンです。色彩による識別も行いながら、高い解像度による地物の識別が可能となります。それぞれ、左下の工場を拡大したものを右側に示しています。パンクロマチックやパンシャープンでは、マルチスペクトラルでは判別しがたい細かい地物などもよく見えています。


以上の画像はそれぞれ下記の日にASNARO-1により撮像されたものをWeb表示用に圧縮加工したものです。
1例目(沖縄、久米島) 2016/10/06
2例目(府中) 2015/05/07


(注) 本記事に掲載された画像は、経済産業省の委託事業の成果を利用したものです。

ASNARO-1:http://www.jspacesystems.or.jp/project_asnaro/
画像提供:METI http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/space_industry/